アンテナシミュレーションと MMPC/MPCQ の概要



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◆アンテナシミュレーションとは


アンテナシミュレーションとは、アンテナの設計値(エレメントの長さ、直径やエレメント間隔)から、その特性値(共振周波数、給電点インピーダンス、ゲイン、ビームパターン(FB比)などを予測する計算で、その計算アプリケーションとしてMMPC/MPCQを提供しています。

アンテナ製作でアンテナシミュレーションを行えば、アンテナの適切な設計値が分かり、アンテナ製作での失敗が少なくなります。またアンテナを建てた後の調整方法も分かるため、試行錯誤で行う場合より簡単に満足に動作するアンテナを完成させることができます。
 
50MHz 6エレメント キュビカルクワッドのシミュレーション結果(MPCQ.NET)
ただしシミュレーションの計算は、アンテナの周囲に影響するものがない理想的な空間での結果なので、実際の屋根上やタワーに架設した場合には必ずその計算結果とのズレが生じます。またアンテナ製作時の寸法誤差も必ず生じます。

従ってアンテナシミュレーションを有効に使うには、最初からキッチリ決めるのではなく、投網を打つような感覚で計算結果を吟味することがアンテナ製作の成功につながります。

また架設場所のクセ、例えば配電線や建物が近接している場合は多くの場合共振点が下がるので、「その下がり具合をつかんでおく」などの「経験」が非常に大事だと思います。
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◆アンテナ設計のヒント


アンテナシミュレーションを使ってアンテナを製作し「うまくいったかな?」を判断するには、作ったアンテナがマトモに動き、かつ設計どうりの性能を確認することになると思います。

まずマトモに動くかどうかはSWRの測定で分かりますが、設計どうりの性能はどうやって確認するのでしょうか?

これはゲイン、ビームパターン、給電点インピーダンスを測定し、設計値と比較することが必要になるのですが、ゲインや正確なビームパターンを測定することは広い敷地で周囲に障害物がないロケーションでなければ大変難しいと思います。

一方給電点インピーダンスはインピーダンスメーターで計れますが、問題なのは給電点にインピーダンスマッチング回路が入っている場合、その回路動作が明らかである必要があります。そうでないとマッチング回路の入口が50Ωであっても、アンテナ給電点が何Ωであるかが分かりません。

そこでオススメするのが最初から給電点インピーダンスが50Ωになるように設計する方法(もちろんリアクタンスを0にする)です。それはハムが使うような簡易型インピーダンスメーターでは50Ω測定が基準になっているので、製作後にインピーダンスメーターで50Ω(SWR=1)を確認することで設計どうりかどうかを判断できることによります。

そして給電点が50Ωであれば1:1バランを使った給電が可能になるので、リアクタンスをキャンセルするようなインピーダンスマッチング回路を使わなくて良くなります(1:4バランやトランスを含んだバランも同様に使える)。

つまりアンテナシミュレーションで設計をすれば、給電点インピーダンスも任意に設計できるのでこのようなことが可能になります。

ここで八木アンテナなど開放型のアンテナでは、ラジエータ単体(ダイポール)では給電点インピーダンスが73Ω付近、これにディレクタとリフレクタをつけるとインピーダンスは50Ω以下(大体20〜30Ω)になります。そこで50Ωで設計すると一般的な八木アンテナより各エレメントスペースは広くなるので、同じゲインを求めるとブーム長が長くなります。

一方キュビカルクワッドなどのループアンテナでは、ラジエータ単体で給電点インピーダンスは100Ω付近なので(形状による)、これにディレクタとリフレクタを前後に置きそのスペースを調整するとインピーダンスが下がり、簡単に50Ω付近に下げることができます
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◆今までの経緯


MMPCは1995年にNEC-PC9801対応版としてリリースしたのが最初です。その後MS-DOS対応版、Windows95対応版を経て、WindowsXP対応版(Win7でも可)をリリースしました。

しかしWin10ではプログラムの作動環境が大きく変わってしまったため、プログラム全体を再構築(再コーディング)する必要があり2015年から取組んできました。しかし現在のところ継続するモチベーションを持つことができず、自家用に作成した MPCQ.NET は開発途中で中断しています。
開発途中ですが、この「α版」はある程度使うことができるのでリリースすることにしました。

開発が終了した MMPC V3.41(WinXP/7)
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